感染対策に関するQ&A

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おむつ交換の手順について

Q1 ①手指衛生後エプロン、マスク、手袋の順で装着。ですが、新しいオムツや陰部洗浄ボトル等の必要物品は①の前、それとも後、もしくはどちらでもよいのでしょうか?

A1 必要物品の準備は、「①手指衛生後エプロン、マスク、手袋の順で装着」の前が望ましいと考えます。PPEを装着後に必要物品を準備すると、PPEがさまざまな物品に接触等をすることで不潔になると考えます。また、患者により多く接すると考えられる手袋は、手指衛生後に装着しエプロン、マスク、手袋を装着。ケアの直前に装着する方がよいと思います。よって必要物品を準備してベッドサイドに行き、手指衛生して、エプロン・マスク・手袋装着という流れがベストと思われますが、物品の配置位置はどうでしょうか。オムツ交換のカートに防護具が設置されている、もしくは、ベッドサイドに防護具が設置されていることが前提になっていますので、カートは使えないしベッドサイドに防護具が置けない、カートはあっても全ての防護具は乗らない、など、状況によって順番は変わってくると思います。
ただし新しいオムツや陰洗ボトル等の物品準備についてですが、しっかりとした手指衛生の後に準備してからPPEを装着していきましょう。清潔な物品を使用しますし、医療従事者の手を介した二次感染の可能性があるためです。

Q2 ②汚れたオムツの除去、陰部洗浄。は手袋を変えずにそのまま行ってよいでしょうか?それともオムツの除去後、手袋を交換してから陰部洗浄をしたほうがよいのでしょうか?

A2 1患者1ボトルであれば、基本的には汚れたオムツの除去と陰部洗浄の間に原則、手袋の交換は必要ないと思われます。しかし、陰部洗浄ボトルは1患者1ボトルでしょうか。本来、陰部洗浄ボトルは1患者1ボトルであるべきですが、ご施設によっては30人も40人もオムツ交換が必要な患者様がおられて、多数のボトルの洗浄・消毒・保管が困難な場合、1患者1ボトルにできないこともあるかと思います。そのような場合には、陰部洗浄ボトルが汚染しないように、汚れたオムツを除去した手袋でボトルに触れない工夫として手袋を交換することもあると思います。
上記に記載しことふまえ、一般的に、手袋は汚染オムツ除去、陰部洗浄までの一連作業はそのままでよいと思います。ただし、陰部洗浄後は手袋を交換し、新しいオムツに交換したほうがよいと考えられます。

Q3 ③陰部洗浄後汚れたオムツ等の廃棄を行い、手袋、エプロンの順で廃棄。④手指衛生後、手袋ははかずに新しいオムツに交換。ですが、④の前に手袋ははいた方がよいでしょうか?はかなくてよいでしょうか?

A3 新しいオムツを当てる際、健康皮膚面に触れるだけであれば手袋は必要ありませんが、尿とりパッドなどを当てる時に陰部に手が触れる可能性があるのであれば、手袋を装着した方が良いと思われます。特に男性の尿漏れ防止で陰茎にパッドを巻くような時には手袋が必要でしょう。 また、おむつ交換は通常何名で行っていますでしょうか?2人で行う場合、体位変換等の行っているスタッフと汚物の処理を行うスタッフと業務を分担します。その場合であれば、体位変換の介助を行っているスタッフは汚物に触れないことを前提に、手袋を変えずにそのまま陰部洗浄を行うことが可能と考えます。陰部洗浄後は、汚物処理担当のスタッフが汚染したおむつを外し、体位変換介助スタッフが手指衛生後、手袋を装着せずに新しい清潔なおむつを交換できると考えます。ただ、体位変換の介助などが必要でない、スタッフ1名でケアが可能な患者さんの場合は、不潔→清潔ケアの間には、手指衛生・手袋交換が必要かと考えます。よって手指衛生後に手袋を装着して新しいオムツに交換がよいと思われます。

Q4 接触予防感染対策をしている患者さんの場合、退室時に手袋、エプロン、マスクの順で外すことにしています。③ですでに汚染されたエプロンは外しています。新しいオムツ交換の前に再度エプロンの装着は必要ですか?もし2回目のエプロン装着は不要であった場合、ノロウイルス感染時も、2度目のエプロンは不要でしょうか?

A4 エプロン装着に関しては意見が多数よせられており自施設で取り組みが可能な方法を選択頂きたいと思います。

A4-1 接触感染予防策の場合、衣服が患者様や患者様の周辺物品に触れる可能性があればエプロンの装着が必要です。なので、新しいオムツを当てる際にもエプロンは必要です。
ちなみに、ベストプラクティスで学んでこられた「汚れたオムツの除去、陰部洗浄、新しいオムツ交換まで、手袋は変えなくてよい」は「エプロンは変えなくてよい」の間違いだと思います。1患者1エプロンを、全てのケアが終わってからはずしています。

A4-2 接触予防策の基本は、「患者あるいは汚染された環境に衣服が接触すると予想される場合、エプロン等を着用する」であるかと思います。新しいおむつを着用する際、汚染されている可能性が高い環境(例えば、ベッド柵など)に接触する可能性があるならば、エプロンの再装着も必要ではないでしょうか?実際の現場では、かなり難しい場面であると思いますが、2名で陰部洗浄・おむつ交換のケアを行えば前述のような方法で、途中に何回もPPEを着脱することなくケアを続行していくことが可能かと考えます。

参考文献:感染管理ベストプラクティス ~実践現場の最善策をめざして~第2版事例集

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